はじめに

パソコンの扱い方にそこそこ慣れてくれば、パソコンが突然壊れたり、大切なファイルを消去紛失してしまうことは経験的に理解できるものと思う。

そこで、せめて自分が作成したデータや大切な資料は定期的にバックアップを取る必要が出てくる。ところが、これがなかなか理想通りにいかない。頭では理解していて、最初のうちはまめにバックアップを取るのだが、時間が経過するとおざなりになり、どれをバックアップしたのか、どこにバックアップしたのか、そもそも整合性が取れているのかすらわからなくなってしまう。

私はメインのPCの他に、ブレいるメモ32に外付けのUSBメモリーを装着して点字データを保存している。そして、同一ネットワーク上に存在するRaspberry PIのフォルダーが共有されていて、ホームディレクトリーのデータと、ラジコ録音した音声データが毎日たまっていく状態。

今まではエクスプローラーで手動でバックアップしてきたが、そろそろ限界、真剣に検討した結果、robocopyを使うことで一気に問題を解決することができた。

例として、ブレいるメモのUSBメモリーに保存してある点字データをPCのHDDにバックアップする方法を中心に紹介する。

robocopyを選択した理由

バックアップの方法やツールはたくさん存在するが、私はrobocopyを選択した。理由は以下の通り。

バックアップの作成

ブレいるメモ32には、外付けの16GBの超小型USBメモリーが装着されている。日々のメモやサピエ図書館からダウンロードしたデータは、すべてこのUSBメモリーに保存されている。このデータを定期的にHDDにバックアップしていく。

ブレいるメモ32に装着されているUSBメモリーを取り外し、PC二装着、エクスプローラーで認識状況とドライブレターを確認する。F:で認識したものとして開設を進める。

バックアップ先として、HDDにフォルダー(ディレクトリー)をさくせいする。コマンドプロンプトを起動したら下記のように入力。Dドライブにbrailleというフォルダーを作成。

mkdir d:\braille

そして、下記のようにrobocopyを実行、バックアップを実行する。

robocopy f: d:\braille /MIR

フォルダーやファイルのコピーが開始され、容量にもよるが、私の環境では30秒ほどでコピーが終了した。メッセージの流れは下記の通り。PC-Talkerであれば、ALT+CTRL+上下の矢印キーで表示をたどることができる。


(省略)

↓

  新しいファイル                   43195        みたせん.BMT
100%      新しいファイル                   45218        ゆーらくちょーせん.bmt

------------------------------------------------------------------------------

                  合計     コピー済み      スキップ       不一致        失敗    Extras
   ディレクトリ:       167       165         2         0         0         0
     ファイル:       897       897         0         0         0         0
      バイト:   26.96 m   26.96 m         0         0         0         0
       時刻:   0:00:26   0:00:20                       0:00:00   0:00:06

d:\>

正常に実行終了すれば、Fドライブのフォルダーやファイルが、Dドライブのbrailleフォルダーにまるごとコピーされる。エクスプローラーでフォルダーの中身を閲覧、プロパティーを調べればファイル数や容量も確認できる。

注意することは、バックアップ元とバックアップ先の指定を間違えないこと。そして、必ず/MIRオプション(大文字)を忘れないこと。特にバックアップ元バックアップ先を間違えると意図しない結果になったり、大切なファイルを消去してしまうので要注意。

これ以後、新たにバックアップを取るときは、上記の手順を繰り返すことになる。もちろんフォルダーの作成は不要。

ここで、先ほどオプションとして指定した/MIRオプションがとても重要になる。

ミラーとはすなわち鏡。この/MIRオプションを指定すると、robocopyはバックアップ元とバックアップ先を突き合わせて、バックアップ元に追加されたデータはコピー、バックアップ元から削除したデータはバックアップ先からも削除。結果として、バックアップ元の状態が、そっくりそのままバックアップ先に鏡のごとく反映される。

つまり、バックアップ元さえきちんと管理しておけば、あとはrobocopyにおまかせ。バックアップ先のフォルダーの構造を気にする必要がなくなる。また、大量のデータをはじめてバックアップするときにはある程度時間がかかるものの、2度目からは、すでにバックアップ先に存在するデータはスキップされるので短時間で処理が完了する。2度目のバックアップの結果を見ると、コピーがスキップされ終了していることがわかるはずだ。

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                  合計     コピー済み      スキップ       不一致        失敗    Extras
   ディレクトリ:       167         0       167         0         0         0
     ファイル:       897         0       897         0         0         0
      バイト:   26.96 m         0   26.96 m         0         0         0
       時刻:   0:00:00   0:00:00                       0:00:00   0:00:00
   終了: 2020年2月2日 6:59:29

d:\>

この/MIRオプションの動作原理から、バックアップ先に、新たにデータを保存、robocopyでバックアップを行うと、バックアップ元と不整合になり、せっかく作ったデータが削除されてしまうので要注意。バックアップ元は一元管理し、robocopyの動作を理解しておくことが重要。

OneDrive管理下のフォルダーもバックアップ

共有フォルダーのバックアップ

参考リンク

お断り

robocopyは、オプションが豊富。私は、自分自信の環境でとりあえず使えているだけ。もし興味を感じ、試してみたいのであれば、消去しても差し支えないデータを用意して、安全な環境下で挑戦してほしい。

もし、この記事に誤りがあれば、問い合わせformよりどうか遠慮なくご連絡を。


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