私が初めてPCを購入してからいったいどのくらいになるだろう。おそらく25年くらい前に購入したNECのPC-9801シリーズ。おそらく今使っているタワー型で10台目くらいになるはず。
このPC、当時4万円強で購入。Windows XPがプリインストールされていた。OSを入れ替え入れ替えして、現在Windows10が動いている。
とりあえず問題なく動作しているものの、さすがにOS/アプリともに起動が遅くなり、処理が緩慢になってきた。今後のことも考え、新しいPCの購入を決断。そして今回購入したのが LENOVO のThinkpad L590。
Thinkpad L590を選択するに当たっては、下記の点を考慮した。
特に、ウイルス対策ソフトについては、現在でもスクリーンリーダーとの相性が悪かったり、自力で削除できないなどの情報があり、慎重に検討を重ねた。
購入先は NTT-X Store。2020念5月末、送料税込みで85,000円ほど。ほぼ1念前の機種。満足な買い物であったと思う。
注文後3日程度で、宅配便で届いた荷物の梱包はとてもシンプル。本体や電源ケーブル以外、昔のように、分厚い取り扱い説明書やCD-ROMなどは一切なし。
同じく、本体もとてもシンプル、15.6型と、現在では一番大きいサイズではあるが、スタイリッシュなビジネス用PCという印象。机に置いてみたが、以前のノートのような威圧感はない。あちこち触って確認、作りもしっかりしているようだ。
まず、蓋を持ち上げると、持ち上げられた側がディスプレイ。底面キーボード部は、手前3分の1がタッチパッド、残りがキーボード。もう少しキーボードが手前にあってもいいのではと感じる。奥の一番右側に丸井電源ボタンがある。
左側面には、奥からUSBタイプCのポートが二つ。続けてドック、USB 3.1ポート、HDMIポート、マイクロSDカード挿入口。少し離れて有線LANポートが並ぶ。
初めてUSBタイプCのポートに触ってみた。この機種は、このタイプCポートのいずれかにACアダプターを差し手電力を供給する。イメージとしては、少し大きめのライトニングポート。iPhoneにケーブルを差し込むときと同じで、上下が存在しない。
詳細は不明だが、隣にあるドックポートは、専用のドックをはめ込むことで、接続できる機器を拡張することができるそうだ。
右側面は、奥から通気口、USB3.1ポート。隣の丸くて小さい穴。ここにイヤホンや4極のヘッドセットを挿入して、音楽を聴いたり、skypeやzoomで通話を行う。
各USBポートは、タイプトげねれーしょん(世代)に違いはあるものの、普段使う分には問題はないと思われる。詳しくは ユーザーガイド PDFを参照のこと。
L590のキーボードはテンキーつきで、左側4分の3がフルキー、残り4分の1がテンキー。すぐに触れてはっきりとした境界はわかりにくいかもしれない。ホームポジションである[f]キーと[j]キー、下矢印キーとテンキーの5には引っ掛かりがある。
通常のキーボードと異なり、[home]キーや[end]キー、[ins]キーなどが別の場所に配置されている。
[f12]キーの隣から、右に向かって[home]キーと[end]キー、[ins]キーと]del]キー。が並ぶ。
さらに右に向かってテンキー部の上に、[=]キー[(]キー、[)]キー、そして一番右側に[backspace]キーが配置されている。[backspace]については、通常のキーボードと同様、[enter]キーの上に存在する。なぜそのような配置なのかは不明。
[PageUp]キーと[PageDown]キーは、上矢印キーの左右に配置されており、上矢印キーの左が[PageUp]キー、やや左斜め下が右[ctrl]キー、その隣が[print screen]キーとなっている。
多くのノートPC同様、最も左下に[fn]キーが配置されており、押しにくいキーは、この[fn]キーと組み合わせて入力するようになっている。[fn]キーの右側が、通常の左[ctrl]キー。
全体として、各キーの境界ははっきりしていて、キーを押してみたが、比較的押しやすい部類に入るのではと感じた。
実は、この部分、今少し詳しく説明しようと考えていたのだが、ちょっとした行き違いなどで混乱。結果として、自力で設定はできたものの、体系的に説明することができない。
よって、気が付いたことだけをメモする程度にとどめる。詳細は、サピエ図書館の、「日経パソコン 2020年5月号」などを御覧いただきたい。
また、実際のインストールは、外付けのUSBキーボードを接続して捜査している。
視覚障碍者が自力でWindows10をインストールする場合、Windows10に標準で搭載されている、ナレーターというスクリーンリーダーを起動して操作を進めていく。多くの場合、この方法でWindowsのセットアップが可能と思われる。
Windows10をインストールする場合、ローカルアカウント、またはマイクロソフトアカウント、いずれかを選択する必要がある。マイクロソフトアカウントは、インストールの途中で作成することが可能であるが、今回は取得積みのマイクロソフトアカウントでインストールを行った。
最初に、ACアダプターをUSB Cポートに差し込む。続けて本体キーボード部の右奥の電源ボタンを押す。
耳を本体に近づけていると、かすかな起動音が聞こえる。3分ほど経過。[ctrl] + [win] + [enter]キーを同時に入力。うまくタイミングが合えばセットアップメニューが読み上げられ、インストールを進めていくことができるはずだ。
言語やキーボードを選択していくと、無線LANの設定に入った。WIFIのSSIDとパスワードを設定。ところがこの後混乱。実は、詳しい人に詳細な手順を聞いていたのだが、それとは違う状況に。
慌てて電源ボタンを長押し。強制終了してやり直せばいいと思いきや、セットアップメニューは途中までの作業を忠実に覚えているらしく、同じ状況から設定することとなった。
結果として、インストールは問題なく完了、特別切迫した状況ではなかった。別のPCでもセットアップを行ってみたが、少なくとも、マイクロソフトアカウントであれば、手順は全く同じ。
マイクロソフトアカウントを入力する場面で、勝手にIMEが有効になっていて、最初、原因がわからなくて混乱した。また、アカウントの認証確認のため、設定した携帯電話にSMSでコードが送信さる手くるのだが、私が使っているらくらくホンでは理解できなかった。ただし、この認証はスキップ、インストール後手動で認証することで解決可能。
ログインには、パスワードではなく、ピンコードという数字や英数字の組み合わせを使用することができる。iPhoneのパスコードと同じものであると考えてよさそうである。仮に、別のPCに、同じマイクロソフトアカウントでログインする場合でも、ピンコードは各PCで別々に設定できる。セキュリティーも向上するので、今回はピンコード(数字のみ)を設定した。
インストールの途中で、ナレーターの速度が極端に拘束になり、捜査状況を聞き取ることが困難になってしまった。無変換キー + フルキーのマイナス、無変換キー + フルキーのセミコロンで速度が調節できる。
セットアップ完了後、すぐにメインのスクリーンリーダーであるPC-Talker Neo Plusをインストールした。
Thinkpad L590には、外付けのDVDドライブが搭載されていない。インストールは、あらかじめUSBメモリーにPC-Talker一式を丸ごとコピー。エクスプローラーやファイル名を指定して実行などで、インストーラーを実行。問題なくインストールに成功。この際にもナレーターの力を借りた。
再起動後、PC-Talkerが正常に動作していることを確認。同じくUSBメモリーに保存してあった認証ディスクで認証。これで最低限の環境がほぼ整った。
朝方届いたThinkpad L590を開封、およそ半日近くで、視覚障碍者が利用可能なPCに、ほぼ変身させることはできた。ここから、より使いやすく快適に、設定やアプリのインストールを行っていく。
Thinkpad L590だけでなく、多くのノートPCでは、初期状態で[f1]キーや[f2]キーを押すと、通常のファンクションキーとしては働かず、音量や輝度、マイクのON/OFFといった機能キーとして働くようになっている。通常のファンクションキーとして働かせる場合には、[fn]キーとの同時押しをする。
マウスやタッチパッドを多用する晴眼者ならともかく、[alt] + [ctrl] + [f1]のように、日常から複数のキーを押してスクリーンリーダーを利用している私たちにとっては大問題。
しかし、L590の場合は、[fn] + [esc]の同時押しで簡単に元の状態に変更することができる。再び機能キーとして動作させたければ、同じ操作をもう一度行う。
これで、[alt] + [ctrl] + [f12]など、おなじみのPC-Talkerのコマンドが実行できるものと操作してみたものの、入力を受け付けてくれない組み合わせがある。
このPCのくせが原因と、半分あきらめていたところ、上記の設定を思い出した。
スタートメニュー → マイサポート → ツール → PC-Talkerの初期化 → インテルグラフィックス ホットキーの設定。
上記のコマンドを実行することで、ホットキーの競合が解消され、いつもの使い慣れたPC-Talker環境に戻すことができた。
Thinkpad L590にはアプリケーションキーが存在しない。[shift] + [f10]で同じ動作をさせることは可能であるが、アプリケーションキーはエクスプローラーなどで多用する。二つの遠く離れたキーを同時に押すのはさすがにすとれす。
一方、右[ctrl]キーの左には[PrintScreen]キー。普段あまり使わない機能なのに、ミスタッチすると勝手にスクリーンショットが撮影されてしまう。
キーの位置を入れ替えるソフトのことは知っていたし、頭にはいくつかの名前が。しかし、PC-Talkerで設定可能であるか、トラブルで復旧ができなくならないものか。
その悩みを解決してくれたのが こちらのページ。記事を参考に、私もキーのカスタマイズに挑戦。
「Change Key」非常駐型でフリーのキー配置変更ソフト - 窓の杜からソフトをダウンロード。
書庫を解凍後、ふぉろだの中にあるChgKey.exeを実行。上記のページを丁寧に確認しながら作業を実行。再起動後、見事に[PrintScreen]キーが、アプリケーションキーに入れ替わった。エクスプローラーでコンテキストメニューを表示させてみる。問題なし、まずは大成功。
キーの詳しい位置については、PC-Talkerのキーボードガイドがとても役に立つ。
スタートメニュー → マイサポート → ツール → キーボードガイド、これでキーボードを適当に押すと、そのキーの名前を読み上げてくれる。キーボードガイドを抜け出すときには、[Windows]キーを適当に数回押し続ける。
このままでは、ホームポジションやテンキーはすぐにわかるものの、本体のキーだけで快適に長い文章などを書くのはやはり心持たない。そこで、日本点字図書館から、透明凸店シールを購入することとした。
透明凸点シール(薄型24粒)、視覚障碍者だけでなく、請願者のニーズもありそうな商品。凸点シールは、用途によって、他にもバリエーションがあるので、ページで調べたり、電話で問い合わせてみてもいいだろう。
あまり張り付けすぎても位置が分からなくなるのでほどほどに。しかし、結局は10粒ほど張り付けてしまった。
前述したとおり、本体キーボードの手前には、タッチパッドのための領域が、かなり広くとられている。このタッチパッドを使えば、USBマウスなどを節度くする必要がないものと思われる。
ただ、視覚障碍者にとってはほぼ意味がないばかりか、場合によっては誤動作の原因ともなる。Windows10 では、簡単に、設定でタッチパッドの有効/無効を切り替えることができる。
スタートメニュー → 設定 → PC設定 → デバイス → タッチパッドに進む。
タッチパッドのチェックボックスを外すことで以後、タッチパッドが無効となる。
結論から言うと、Thinkpad L590は、私にとって、とても素晴らしい商品である。15.6型と、大きなサイズではあるが、ウイルス対策ソフトなど、不要なものも入っていない。
ここ1年近く、PCを購入すべきかどうかについてはかなり悩んだ。毎日使ってはいるものの、この年になってくると、新しい技術についていくことができないばかりか、すべてのことが億劫になってくる。
Windowsのセットアップ、自力でできるという情報は聞いていたものの、果たして私にできるものか。スクリーンリーダーとの相性が悪くて使い物にならないPCを買ってしまったらどうしよう・・・
しかし、悩んだり検討したりしたかいはあったようだ。なんといっても、zoomやskype、WevePadが、以前とは比較にならないほど快適に動くようになった。
このページが、これからPCを購入される方の参考になれば幸いに思う。