2020年7月中旬、Web上のニュースで日本通信が、「合理的かけほプラン」なるサービスを開始することを知った。
月額2480円で音声通話かけ放題と3GBのデータ通信がついた日本通信の料金プラン「合理的な携帯料金プラン」
私は今まで、らくらくホン7と、iPhoneで音声通話やスマホを使ってきた。音声通話はさほど利用しないし、普段は自宅のWi-Fiでほぼことは足りていた。
数か月ほど前、光回線のトラブルや家族もろもろの手続き、福祉や病院との連絡などが重なった。
このところのコロナ関係の問題で、各問い合わせ先はかなりの混雑。私のらくらくホン7の契約は30秒20円。固定電話を利用したり、ときには家族の携帯電話を借りて手続き。周囲の仲間が、かけ放題プランを利用して通話しているのがとてもうらやましく感じた。
そのような中登場した合理的かけほプラン。合算すると、現状より料金は高くなるものの、今後、固定電話を解約することも念頭に、利用手続きを行うこととした。
私が「合理的かけほプラン」を選択した理由は下記の通り。
この中で、私が一番重視したのは、価格の安さもさることながら、標準の電話アプリで通話可能であること。格安SIMの場合、専用のアプリを利用する必要があったり、電話番号の先頭に6桁のプレフィックス番号を付加しなければならないサービスも存在する。また、視覚障碍者の場合、アプリがボイスオーバーできちんと使えるかという問題も出てくる。
データ通信は標準が3GB、その後は低速通信になるが、ホームページで1GB単位(別途250円)で増量することができる。
ファミリープランなどはないが、一人ひとり、用途に合わせて、自由にサービスを選択できるのも大きな魅力。
手続きはすべて 日本通信SIMトップページ で行う。手続きの流れや注意事項も詳しく掲載されている。
申し込み時には、必ず サポートページ を一読いただきたい。
大まかな流れは、住所や生年月日など、一般的な契約と変わらないが、注意すべき点がいくつかあるので簡単に触れておく。
私は日常、PC-Talkerとネットリーダー Neoでネットの閲覧やショッピング、各種手続きを行っている。
今回、合理的かけほプランの申し込みを行ってみたところ、本人確認書類のアップロードでネットリーダーが固まってしまった。
私のところのみの減少かもしれないが、以後の手続きは、すべてNVDAとChromeで検証している。
申し込み手続きには、下記の情報や書類が必要となる。
私は、NTTドコモで利用している電話番号を引き継ぐため、NMP予約番号を取得した。
料金の決済は、私が申し込みを行った時点では銀行口座からの引き落としには未対応。ドコモやソフトバンクなどのキャリアメールしか所持していない場合には、Googleなどで、別途アドレスを取得しておく必要がある。
既存の電場番号を合理的かけほプランに引き継ぐためには、各キャリアから、MNP転出番号を発行してもらう必要がある。
電話(ドコモの場合は電話から直接151番)、ホームページ、各キャリアのショップで手続きが可能。私は、 マイドコモ の、ドコモオンライン手続きで申し込みを行った。下記の内容を正確にメモしておくこと。誤った内容を入力すると、審査で引っかかるだけでなく、転出転入ができないまま、手数料を請求される可能性もある。
本人確認書類は、郵送で提出するのではなく、スマホなどで撮影した画像(JPEG)をアップロードする。
運転免許証や障碍者手帳など、顔写真を確認できるものが望ましいと考えられる。私は、マイナンバーカードの表面(点字付きならばその反対側)をiPhoneで撮影した。
実際の撮影は、A4用紙の真ん中にマイナンバーカードを置いて、iPhone本体を紙の上30cmからかざして撮影した。
出来栄えについては自力で確認することができないため、家族のものの視力を借りた。住所や顔が鮮明に撮影されていることを念入りに確認、手首や影などが入らないように注意。
私は、パソコン上から手続きするので、撮影した写真は、OneDriveに保存。念のため、プリンターで印刷、再度出来栄えを確認してもらった。
ここで、とても重要な注意点がある。申し込み手続きで入力した住所と、本人確認書類に記載されている住所に違いがあると、不備を指摘される可能性がある。
普段、自分の住所を書く場合、○○区××1-23-4などと書くことが多い。しかし、本人確認書類に記載されている住所が、○○区××1丁目223晩 4などと記載されているのであれば、本人確認書類の方を入力することをおすすめする。
申し込み手続きを行うためには、まず、日本通信IDを取得する必要がある。
データ量の上限値の選択、注意事項と利用規定が記載されたPDFへのリンク、同委の確認のチェックボックスがある。
データ量の上限値は、あくまで低速通信までの上限値であって、容量を多めにした場合でも、最低基準である3GBを超えた分から料金が加算されるので、容量を多く設定しても、利用したデータ量が少なければ料金は発生しない。私は最低限の3GBに設定。この値は、サービス開始後、マイページで変更することが可能だ。
同委の意思を確認するチェックボックスをONにするためには、各PDFへのリンクをたどって、内容を参照する必要がある。
Chromeの場合、PDFへのURLをたどると、新たにタブが開くので、CTRL + [F4]でタブを閉じることで、同委のチェックボックスをONに設定できる。
新しくIDを作るのリンクをたどると、メールアドレスとパスワード入力を求められる。送信ボタンを押すと、登録したアドレスに案内が届く。届いたメールに記載されているるURLからログインすれば準備完了。
日本通信IDにログインしたら、必要事項と本人確認書類のアップロードを行う。
氏名や住所、生年月日などを適宜入力。上述のMNP転出番号と住所の入力はくれぐれも慎重に行うのが重要。
アップロードは、最初にファイルの選択、ついでファイルのアップロードの順で操作する。
私は、パソコンに保存されているマイナンバーカード(JPEG)を選択した。マイナンバーカードや障碍者手帳の場合は不要だが、確認書類が2通必要な場合には、再度ファイルを選択する。
アップロードが正常に終了すれば、次の決済情報入力に進むことができるはずだ。
決済に利用するクレジットカードの情報を入力する。
カード番号や有効期限、氏名の他に、3桁のセキュリティーコードも入力する必要がある。
ここで、自分が入力した情報の最終確認を行う。万が一記載の不備が指摘された場合、適切に対応するためにも、時間が少々かかっても、慎重に確認しておくことをおすすめする。
すべての手続きが完了すると、登録したメールアドレスに結果や問い合わせ先が送信されてくる。
不備がある場合にはその旨が、審査が通ればSIMカード送付のお知らせと開通手順がメールで通知される。
私の場合、4連休をはさんでいたので、手続きから4日後の夜遅く、SIM配送のお知らせが届いた。
届いたSIMの挿入と開通手順は下記の通り。なお、SIMの挿入や扱い方については省略。初めてSIMを扱う場合には、Webで情報を集めたり、経験者からアドバイスを受けると安心。
視覚障碍者でも、手順とルールを理解して、慎重に作業を進めれば、自力での作業は思いのほか簡単である。
SIMの送付のお知らせの翌日、日本郵便のレターパックが我が家に到着。配達員から送付物を受け取り、署名は代筆していただいた。
A4サイズの封筒を開封。中身はスタートガイド(墨字)とキャッシュカードサイズのプラスチックのカード。このカードがマルチサイズSIMと呼ばれるもので、このカードを目的の端末のサイズにカットして挿入することになる。
最初に、日本通信のマイページにログインして、MNP転入手続きを行う。これを行わないと、元のキャリアから日本通信への転入がかんりょうしない。放置していても、一定の期間が経過すると、自動的に転入手続きが行われるようだが、できるだけ速やかに手続きを行うのが望ましい。
転入手続きには、マルチカードSIMに記載されている15桁のSIM番号の、下4桁(数字)を入力する必要がある。
視力を借るる必要があるが。私は、マルチサイズSIMを触って、シールが張り付けてある側を、EnVisionで読み取り、無事手続きを済ませることができた。ビーマイアイズで、協力者に介助を求めるのも一つの方法。
手続きを行った時間帯にもよるが、私の場合、15分ほどで、転入手続き完了のお知らせがメールで届いた。らくらくホン7で通話を試みると通話不能。転出と転入手続きが完了したことを確認。
前述したマルチカードSIMを、目的の端末のサイズにカットする。私の場合、端末がiPhone8、SIMのサイズはナノSIMとなる。
カットすると言っても、ハサミややすりなど、面倒な工具を用意する必要は不要。カードの表面を、下方向に軽く押し込むと、SDカードくらいの標準SIMが切り出される。さらにこの手順をくる返すことで、標準SIMからマイクロSIM、最終的に一番小さいナノSIMへとサイズが小さくなっていく。
作業のときには、カードを紛失しないためにも、高級クッキーなどが入っていた、金属製やプラスチック製の箱の中で行うのが安全。ナノSIMともなれば、サイズは小指の詰め程度。
必ずiPhone本体の電源を切り、SIMピンを使ってカードスロットを取り出し、先ほど切り出したナノSIMをスロットに乗せて本体に挿入する。
裏表や上下が違うと、きれいにスロット内に収まらないので、方向を間違える可能性は少ない。カードは長方形だが、触ってみると、一つのカードの端が欠けている。次回SIMカードを交換する場合の参考になるだろう。
私のiPhoneには、今まで使ってきたフリーテルのSIMカードが入っていた。後述するように、このSIMを解約する際には、このSIMは保管して返却する必要がある。適当な紙にテープのりを塗り付けて、取り出したナノSIMを張り付けて大切に保管。テープのりはこのようなときにとても便利。
最後に、APNの設定を行う。iPhoneの場合は、サファリから構成プロファイルのURLをたどり、支持に従って作業を進めれば、ダウンロードとインストールを行うことができるようになっている。
こちらのページ をサファリで開くか、あらかじめ同URLをメールでiPhoneが受け取れるアドレスに転送、サファリで開き、プロファイルというリンクをたどればダウンロードとインストールを開始することができる。
完了後、iPhoneを再起動するか、設定でプロファイルの項目を確認承諾すればすべての準備が完了。
私は、上記の作業の前に、フリーテル用のプロファイルを削除してから日本通信用のプロファイルのインストールを行った。私のように、格安SIMから新たに乗り換える場合、不要なプロファイルは削除しておく方が望ましいようだ。
最初に、なんらかの方法でWi-FiをOFFにする。ステータスをなぞると、通信が3Gや4Gに切り替わる。メールやサファリ、Youtubeを開いてみた。問題なく送受信や楽曲の再生ができた。
友達に手伝ってもらって音声通話のてすと。標準の電話アプリから電話をかけてみたり、固定電話から電話をかけて着信テスト。すべて問題なし。番号通知も届いていた。
家の外に出てみて再びテスト。こちらも問題なし。あとでマイページを確認すると、数メガバイト程度消費されていることがわかった。
これで、乗り換え手続きと動作確認がすべて完了。これからは安心してかけ放題の電話とネット環境を格安で利用することができる。
新しいSIMに差し替え、インターネットと音声通話、SMSの送受信ができることを確認。しかし、これで安心してはならない。今まで利用していたSIMの解約と、不要になった携帯電話やスマートホンの後処理を行う。
私は数年にわたり、旧フリーテルの「使った分だけ使い放題プラン」を利用してきた。
そのままでは引き続き毎月の料金が請求されてしまう。ただちにホームページから解約手続きを行った。
今まで使っていたSIMは、廃棄するのではなく、しかるべき住所に郵送にて返却する必要がある。この点を見落とすと、手続きが複雑になったり、別途料金を請求される可能性も考えられる。乗り換えの前には、あらかじめホームページなどで確認しておくことを強くお勧めする。
フリーテルのホームページから解約手続き。SIMの返却先を宛名職人に入力ご、封筒に印刷。て郵便局で切って代を支払って返却完了。
念のため、再びマイページにアクセスしてみると、「解約取り消し」のボタンが表示されている。解約手続きが終了していることが確認できた。
MNPの転入手続きが完了した時点でドコモとの契約が終了、今まで使ってきたらくらくホン7からは、一切の通話や通信が不能となる。
解約したドコモのらくらくホン7。SIMカードがそのまま入っているが、ドコモの店員に聞いてみたところ、特に返却する必要はないとのことだ。
ただし、このの状態では、電話帳や通話記録などの個人情報がそのまま残っている。廃棄するにしても譲渡するにしても、本体は適切な方法で完全にリセットしておくこと。
最初に電話帳を開いて、連絡先をバックアップ。パソコンにバックアップを取ってもいいのだが、大切な連絡先は数件しかなかったので、ブレいるメモに記録。
続けて、本体に接続されているマイクロSDカードの内容を完全初期化。最後に本体を完全初期化してすべての操作が完了。できれば、本体からSIMとマイクロSDカードを鳥は図絵洗馬完璧。
私にとって、格安SIMの手続きは決してハードルの低いものではなかった。必要事項の手続きや情報の入手には困難さを感じなかったものの、特に本人確認書類の提出はほぼ初めての経験。
また、マルチサイズSIMを触るのも今回が初めて。SIMの入れ替えの経験はあるものの、自力できちんとカットできるか、傷をつけてしまわないか、作業の最中も不安が付きまとった。あらかじめMLに相談したりWebで調べておいたおかげで、スムーズに乗り換えを完了することができた。助言をいただいた方々には心より感謝申し上げます。加えて、視覚障碍者が使える携帯電話を開発販売、研究してくださっているメーカーや関係者の皆様にも心から感謝申し上げます。
この文書が、これからSIMを変更したい方々の参考になれば幸いに思います。